証券外務員用語集・さ行
「債券の種類」
○国債
・長期国債:公社債市場での中心的な銘柄で、発行額の85%はシンジケート団の価格競争入札で残り15%はシンジケート団が固定シェアで引き受けます。長期国債とは10年利付国債です。
・超長期国債:20年利付国債は価格競争入札で発行され、30年利付国債はイールド競争入札で発行されます。
・変動利付国債:償還期間15年の国債で年2回の利息は市場実勢に応じて見直されます。
・割引国債:償還期間が3年と5年のものがあり、現在は発行停止となっています。
・中期国債:償還期間が2年と5年のものがあり、価格競争入札による公募入札方式で発行されます。
・短期国債(TB):償還期間1年以内の借換国債であり、法人にのみ限定保有され割引方式で発行されます。また、価格競争入札による完全公募入札方式で発行されます。
・個人向け国債:償還期間10年で個人のみに限定されて発行されます。利率は半年ごとに見直される変動金利の国債です。また、額面1万円単位で購入し中途換金の場合は元本が保証されます。(しかし、手数料が必要になります。)
・政府短期証券(FB):国の一般会計や特別会計の一時的な資金不足を補うために発行される債券です。
○地方債:都道府県や市町村などの地方公共団体が発行する債券で、国債とあわせて公共債とも呼ばれます。地方債は公募地方債・縁故地方債・住民参加型ミニ市場公募債・交付地方債に分類され、発行できるのは一部の都道府県とすべての政令指定都市となっています。
○政府関係機関債:公庫・公団・政府系特殊会社等が特別の法律に基づいて発行する債券です。
○金融債:一部の金融機関が特別の法律に基づいて発行する債券であり、期間1年以上の利付金融債と期間1年の割引金融債があります。
○外国債券:外国政府や企業が発行する債券であり、発行者・発行場所・通貨のいずれかが外国のものであれば外国債券と呼びます。例としてサムライ・ボンド、ユーロ・ボンド、ショーグン・ボンドなどがあります。
○コマーシャルペーパー(CP):優良企業が無担保で短期の資金調達を行うために割引方式で発行される約束手形です。
「裁定取引」
金利差や価格差等を利用して証券等を売買し利ざやを稼ぐ取引のことです。
「ザラ場」
ザラ場とは、始値と終値の間に行われる継続売買のことをいいます。
「資産管理型営業」
資産管理型営業とは、証券会社がいままでの単なる株式の売買注文の取次ぎだけではなく、投資家の資産を総合的に運用・管理する営業形態のことです。
「指値注文」
指値注文とは、投資家が証券会社に売買注文を出す時に、売買値段を指定する注文のことをいいます。
「証券業」
証券業とは、有価証券を媒体として、証券市場における売買取引を取り次ぐ業務であるといえます。その業務を行う代表格が「証券会社」です。 また証券会社のうち、資本金10億円以上で、引受・募集売出・委託売買・自己売買の業務の免許を持つ会社を「総合証券会社」と呼びます。
「先物取引」
先物取引とは、ある商品のある特定の数量について、将来の一定時点または一定の時間における取引を前もって約定しておく取引のことをいいます。
「市況」
市況とは、証券や商品の取引の状態のことをいいます。
「私設取引システム(PTS)」
PTSは市場外取引の一形態であり、内閣総理大臣の認可を受けた証券会社が開設する電子取引の場のことで、PTSに対して、投資家あるいは証券会社が注文を出すことにより、取引が行われます。
「証券取引等監視委員会」
金融庁に属している機関で、証券取引等に関するルール違反を監視することが主たる目的です。また、証券会社や金融機関に対する立入検査や捜査当局への告発、行政処分勧告等が主な業務です。
「証券保管振替機構」
「証券保管振替機構」とは、保管振替法に基づいて設立された機関であり、証券の保管振替制度とは、有価証券の売買取引や担保取引の決済に伴う証券の受渡しを、証券の授受によらず一定の機関に設けた口座間の振替によって行う制度のことをいいます。また、この制度により、証券の盗難や紛失を避けることができます。
「渉外」
渉外とは、金融機関では特に営業担当の人をいい、外部の顧客と交渉したり連絡をしたりする人のことです。
「証券アナリスト」
証券アナリストとは、証券投資の分野において、高度の専門知識と分析技術を応用し、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供する専門家のことです。
「証券金融会社」
「証券金融会社」とは、内閣総理大臣の免許を受けて、証券取引所で取引に参加している者に対して信用取引の決済に必要な資金や有価証券を貸し付ける業務を行う専門の会社です。また、一般顧客にも貸し付けを行っています。
「証券業務の種類」
○有価証券の売買 ○有価証券の売買の媒介、取次ぎまたは代理 ○取引所有価証券における売買等の委託の媒介、取次ぎまたは代理 ○有価証券デリバティブ取引またはこれらの取引の媒介、取次ぎまたは代理 ○有価証券業の清算取次ぎ ○有価証券の引受 ○有価証券の売出 ○有価証券の募集もしくは売出の取扱いまたは私募の取扱い ○私設取引システム(PTS)運営業務
「証券投資計算」
○応募者利回り:新規に発行された債券を満期まで保有した場合の年平均利回り
応募者利回り=[利率+(償還価格ー発行価格)÷償還期限]÷発行価格×100(%)
○最終利回り:既発の債券を購入して満期まで保有した場合の年平均利回り
最終利回り=[利率+(償還価格ー購入価格)÷残存期間]÷購入価格×100(%)
○直接利回り:購入した債券の元本に対する年間の利息の割合を表します。
直接利回り=利率÷購入価格×100(%)
○所有期間利回り:新規に発行された債券や既発の債券を満期まで保有せずに途中で売却する場合の年平均利回り
所有期間利回り=[利率+(売却価格ー購入価格)÷所有期間]÷購入価格×100(%)
○経過利子
経過利子=額面当たり年利子×(1-源泉税相当額0.2)×経過日数÷365
○パリティ価格:転換社債を株式に転換する時の転換社債の価値を表す価格のこと
パリティ価格=株式時価÷転換価額×100
○パリティ乖離率:転換社債の時価とパリティ価格との間に生じる格差のこと
パリティ乖離率=(転換社債の時価:パリティ価格)÷パリティ価格×100
「証券取引所における株式の売買の形態や注文の受託」
○決済日の違いによる区分
・普通取引?最も一般的な取引方法で、売買成立日から起算して四営業日目に決済が行われる取引
・当日決済取引?即日決済し(当事者の合意により翌日決済も可)が行われる取引
・発行日決済取引?株式分割などにより発行される新株を対象とする取引方法で、四営業日目が決済日となります。
○信用供与の有無による区分
・現物取引?市場での実物の取引
・信用取引?証券や証券購入の資金を証券会社より借り入れて売買を行う取引
○売買立会によるか否かの区分
・立会内取引?証券の売買注文は普通、証券会社を通じて証券取引所内で執行され、平日9:00~11:00、12:30~15:00に行われる取引
・立会外取引?売方と買方とが合意した価格や数量に基づいて行われる取引
「社債管理会社」
社債管理会社とは、社債権者のために弁済を受けるなどの業務を行うのに必要な一切の権限を有する会社のことをいいます。
「仕切り」
仕切りとは、証券会社が顧客の注文に対し、直接取引の相手になることをいいます。
「新株予約権」
新株予約権とは、その所有者が一定期間内に請求を行えば、当該発行会社の株式を、あらかじめ定められた価格(権利行使価格)で一定数量買い付けることができる権利のことです。この権利が行使されると、発行会社は新株を発行するか、会社が保有する自己株式を交付・移転させる義務を負うことになります。
「総資本利益率(ROA)」
総資本利益率とは、投下された資本全体の効率的な利用を判定する基本的な指標です。 総資本利益率=当期純利益÷総資本×100(%)
「相場」
相場とは、市場において、需給関係・競争売買によって決まる商品の値段のことであり、証券市場においては市場において売買された有価証券の取引の値段のことです。
「損益計算書」
損益計算書とは、企業の経営成績を明らかにするため、1会計期間に属するすべての収益とこれに対応するすべての費用とを記載して経常利益を表示し、これに特別損益に属する項目を加減して当期純利益を表示し、さらに未処分利益の増減項目を記載し、当期未処分利益を表示する決算報告書です。